こんにちは。宮古島在住ライターのOCCOです。
宮古島へ旅行に来られ、居酒屋で隣の席のおじさん達がお酒の回し飲みをしていた、もしくはいきなりお酒が回ってきた、なんてご経験がある方はおりませんか。かなりの確率で、この光景に遭遇された方は多いのではないかと思います。
今日は、宮古島独特の泡盛の飲み方「オトーリ」についてご紹介致します。オトーリが出来るようになれば、あなたも立派な宮古通ですよ。
泡盛とは?
泡盛とは、タイ米を原料とする蒸留酒で、分類上は焼酎と同じ単式蒸留焼酎に分けられます。ですが、製法には焼酎と大きな違いがあるので、簡単に泡盛が出来るまでをご説明します。
【泡盛の作り方】
- 洗米
- 浸漬(しんし/水に漬ける)
- 蒸し
- 黒麹菌による種付け
- 製麹(せいきく/円盤型製麹機で黒麹菌をさらに繁殖)
- 全麹仕込み(水と酵母を加えアルコール発酵)→もろみが出来上がる
- もろみ発酵
- 蒸留
- 熟成貯蔵
泡盛が出来るまでを簡単な工程で説明すると上記の様な製法になり、沖縄や宮古島で泡盛は一般的に「島酒」と呼ばれています。
オトーリとは?
「オトーリ」とは沖縄県の離島、宮古島の伝統的な泡盛の飲み方で、昔、お酒は大変貴重な飲み物だったため、皆で均等に飲むために始まったと言われております。1本のお酒をみんなで回し飲みしながら、平等に飲むという飲み方をします。
宮古島の島民が二人以上集まれば、たいていオトーリが始まります。私が移住して間もない頃、居酒屋で隣の席に座った男女二人のカップルが、二人でオトーリを始めたことがあり、当時の私は大変驚いたものです。それくらい、宮古島民にとってオトーリというのは普通の泡盛の飲み方なんですよ。
普段は人見知りの方が多いこの島ですが、お酒が入るとみな陽気になり、隣の席の観光客にも気軽に話しかけてくれ、いつの間にかみんなでオトーリが始まるというのも珍しいことではありません。
さて、そんなオトーリにはいくつかルールとやり方があるので、このオトーリルールを覚えて、あなたも島民と一緒にオトーリを回せるようになりましょう!
オトーリのやり方
宮古島の方は水と泡盛をピッチャーに7:3の割合で作って飲みます。そして「オトーリグラス」というオトーリ専用の小さなグラスを使うのも特徴です。
- 「親」が口上を述べる
- 親が一人一人にピッチャーからオトーリグラスに一口ずつ注いでまわる
- 親が全員に注いで終わったら、今度は親の隣の人が「親」になって口上を述べる
1~3を永遠に繰り返すのです。お酒が無くなるまで。エンドレスで続きそれが宮古島のオトーリです。
【オトーリをする際気をつけること】
グラスは必ず右手で渡し、グラスを受ける方も右手でもらいましょう。親になった時、左手で渡すと怒られますのでお気をつけ下さい!
まとめ
お酒が弱い方にとってはなかなかハードな飲み方ですが、今は昔ほど強要されませんので、飲めない方はオトーリが回ってきた際、ご自分の手持ちグラスで親と乾杯するだけで大丈夫ですので、ご安心下さい。初めましての方がいたりすると、仲良くなれるきっかけになりますし、全員と話す機会が持てるので、ぜひ一度はご経験してみて下さいね。