こんにちは。宮古島在住ライターのOCCOです。
今日は日本で最大級と言われる大きさの蝶「オオゴマダラ」をご紹介致します。大きさもさることながら、この蝶は蛹でも注目すべき点があるのです。
では、さっそく沖縄の空を優雅に羽ばたくオオゴマダラを見ていきましょう。
オオゴマダラとは?
オオゴマダラとは、宮古島の市蝶にも指定されている蝶で、日本で生息する蝶の中では最大級の大きさが特徴です。
蝶の羽を広げた時の左右の大きさを「開帳(かいちょう)」と言うのですが、オオゴマダラの開帳は13㎝前後、前翅長は7㎝前後という大きさ。モンシロチョウの開帳はだいたい5㎝程度ですので、オオゴマダラがいかに大きいかということがお分かりになるかと思います。
翅は白と黒のマダラ模様で、ゆ~っくりと空をフワフワ飛ぶ姿は、新聞が舞っているように見えることから、別名「新聞蝶」とも呼ばれたり、その優雅さから「南国の貴婦人」とも呼ばれております。
オスの腹部先端には、マダラチョウ類に共通して見られるヘアペンシルと呼ばれるフェロモンを分泌する器官があるのも特徴の一つです。
<科名>タテハチョウ科マダラチョウ亜科
<漢字>大胡麻斑
<分布>東南アジア、日本では喜界島以南の南西諸島
宮古島では一年を通して繁殖することが可能で、寿命も長く羽化して数か月から半年とも言われており、この島では年中見かけることが出来ます。
金色に輝く蛹
成虫の大きさも注目すべき点なのですが、オオゴマダラの蛹の色が大変珍しく、なんと金色なんです!
ですがこの金色、実は蛹自体が金色なのではなく、構造色と言って蛹の多層膜の微細構造が金属の金と同じような反射率の波長特性をしているため、金色に光り輝いて見えているだけなのです。
ですから、脱皮して多層膜が消失してしまった蛹の抜け殻は金色には見えないんですよ。
蛹の大きさは4~5㎝もあり、かなりの存在感があります。羽化の期間は夏場で1週間、冬場だと1ヵ月ほど。
毒を持つ幼虫
オオゴマダラの幼虫は、白と黒の縞模様をしており、側面には赤い紋がいくつも入っており、体長は7㎝ほどです。
キョウチクトウ科のホウライカガミ、ガガイモ科のホウライイケマを食草としていますが、どちらもアルカロイド系の植物毒を含みます。幼虫はこの葉を食べることで体内に毒を貯め込み、外敵から身を守っているのです。
この毒は成虫になってからも体内に残っており、鳥などから食べられる心配がないため、オオゴマダラはあんなにもゆっくりと優雅に空を舞うことが出来るのでしょうね。
最後に
宮古島では、冬場よりはやはり夏場の方が見かける回数は多い気がしますが、年中いたるところでこのオオゴマダラを見かけることができます。ぜひ、探してみて下さいね。
フワリ、フワリと大きな翅を羽ばたかせ飛ぶ姿は、まるで私たちに「焦らなくていいんだよ~なんくるないさ~」と語りかけているようです。